柔道整復師の歴史 柔道との関係は!?
整骨院の先生である柔道整復師は、実は日本独自の医療専門職であり、外傷や筋肉・関節のトラブルの怪我を手技や機械を使い治す仕事をしています。
その柔道整復師の歴史についていくつかの項目に分け詳しく説明します。
柔術からの起源
柔道整復師のルーツは日本の古代から続く武道、特に柔術に遡ります。柔術の中には対戦相手の関節を押さえつけたり、投げ技を使ったりすることで自らを守り怪我を予防する技術がありました。江戸時代に、武道が発展する中で怪我や体の不調を治すための治療技術が必要とされ、これらの技術が柔道整復の基礎となりました。
柔道の発展と誕生
柔道の創始者、嘉納治五郎(1860年-1938年)は柔術の中から競技としての側面を強化し柔道を体系化しました。これに伴い、投げ技や固技などを行う際に生じる怪我の治療方法も進化し、骨折や脱臼を治す整復術が発展しました。柔道が普及するにつれ、柔道の競技者や指導者たちが怪我をすることが増えました。その怪我を効果的に治療するために、柔道整復師という職業が誕生しました。
公的資格の取得として認められる
第二次世界大戦後、日本政府は健康の向上と医療の普及を目的に、1948年に施行された医療法により整骨院や柔道整復師の制度を整備しました。整骨院は骨折や脱臼の治療を専門とする施設として、国家資格を持つ柔道整復師によって運営されます。国家試験に合格した後、施術が行え自らの施設を開設することができます。国家試験に合格するためには、3年または4年制の学校に通い専門的な知識と技術を習得する必要があります。
治療対象の拡大
柔道整復師はもともと柔道の競技者を対象としてみていましたが、現在では一般の人々も治療対象としています。特に、骨折、脱臼、捻挫、打撲、挫傷などの外傷や、筋肉の痛み、関節の動きの制限などに対して、手技や機械を用いた治療を行っています。また怪我のリハビリだけではなく、慢性疾患(肩こり、腰痛、膝痛)などの身体のお悩みを解決にも役立っております。また柔道以外のスポーツ現場でもトレーナーとして柔道整復師が活躍している場面が多いです。
まとめ
柔道整復師は日本独特の医療専門職であり、その歴史は古代の武道、特に柔術に起源を持ちます。現代では、手技を中心にした治療法を提供するだけでなく、多様な治療技術を用いて患者の健康をサポートしています。
嘉納治五郎について(補足)
嘉納治五郎の教えは、現代の柔道整復師の基盤となっています。彼の指導のもとで、柔道家は怪我を治療する技術を学び、実践しました。これらの技術は後の整骨院や柔道整復師の技術として継承されています。また彼の「精力善用」と「自他共栄」の精神は、現代の柔道整復師の職業倫理としても引き継がれています。
嘉納治五郎の教えと柔道の普及が、日本の医療の一環として整骨院や柔道整復師の発展に大きく寄与したことは間違いありません。彼の功績は、現代の医療分野でも引き継がれており、多くの人々が影響を受けています。